CLANNAD、AIR、Rewriteなど、魅力的なノベルゲーム作品を数多く発表してきたゲームブランド「Key」。
この手のゲームに詳しい人であれば、たとえ内容を知らずとも、これらのゲームタイトルを聞いたことがないという人はいないのではないのでしょうか?
今回触れるのは「友情」というテーマに重きを置いた『リトルバスターズ!』です。
■「この手」のゲームの魅力はどこにあるの?
世間一般の感覚ではマイナーなジャンルと言わざるを得ない「ノベルゲーム」ですが、その魅力はどこにあるのでしょうか。
ノベルゲームは基本、ただ読むゲームです。小説にキャラクターイラストや背景イラスト、BGMやSEがついたもの、または音や動きのある紙芝居だと考えるとわかりやすいかもしれません。
時代を重ねるごとにノベルゲームも多様性を増し「ここがノベルゲームのいいところ」と一概には言えなくなってきています。
その中で筆者が『リトルバスターズ!』をプレイして感じたいいところは「ひとりのヒロインルートを掘り下げたあと、一旦リセットしてそのルートから抜け出して別のヒロインを掘り下げることができる」ことです。
慣れている人には何を当然なことを、思われるかもしれませんが、この手のゲームをプレイしたときにこの魅力に初めて気づくと衝撃は大きく、すぐさまとりこになってしまいます。
■キャラ立ちがしっかりしている
このゲームで中でも秀逸なのは、仲間たちとの掛け合いによるギャグ。そのギャグはキレッキレで、ツッコミどころ満載になっています。
また、選択肢でわざと主人公にアホな行動を取らせられるシーンが多少しこまれていたりして、製作者の遊び心が垣間見えます。
キャラが活き活きとしてひとり立ちしていることから、濃い人間ドラマも展開されるようになっています。つまり『リトルバスターズ!』のキャラはいい意味でとても人間臭いです。
美少女と恋愛するゲームというと、いわゆるハーレム状態を想起する人が多いと思いますが、『リトルバスターズ!』は「友情」をテーマにした作品なのです。
ストーリーが進行するにつれて「人間ドラマ」としての色が濃くなっていきます。これはほとんどのヒロインルートで言えることです。
キャラクターたちの恋情、主人公とヒロインのデート、といった恋愛に関するシーンも多く描かれるものの、彼女たちは他人には容易に踏み込みがたい過去を背負っています。そんな彼女らとの「友情」を深め、互いのことを知っていくことでキャラクターたちが強く葛藤し、そして心の問題をともに解決に導いていく様子がこのゲームの一番の見所です。
■アニメの知名度が先行している
リトルバスターズはアニメ化もしています。もしかしたらアニメを知っている人のほうが多いかもしれません。
もとより選択肢によって物語が膨大に分岐するノベルゲームである原作と、物語が一方通行で進行していくアニメでは、同じ展開にしろというのは尺の問題もあって無理がありますが、アニメオリジナルの部分も悪くありません。
時間がない人は、アニメだけ観て全体図を把握するだけでも感動するには十分でしょう。
■ぜひ『リトルバスターズ!』をプレイしてみてほしい
アニメだけでも十分楽しめるとは言ったものの、やはり筆者としては原作をプレイしてほしいのが本音です。
『リトルバスターズ!』はPC,PS2,PSP,PS Vita,PS3と、様々なハードに合わせたリメイク・リマスターが行われています。
どれも中古なら2000円を切る価格で購入できると思います。プレイすれば、涙に魂を震わせること間違いなしです。